「優れたリーダーはなぜ傾聴力を磨くのか?」を読んで

  1. ホーム
  2. 未分類
  3. 「優れたリーダーはなぜ傾聴力を磨くのか?」を読んで

こちらの書籍が話題に登ったので読んでみました。


私は初対面の方でも人見知りせずに話すことができます。

ですが、何を話しているかと言うと、天気や時事ネタ、とりあえずの話題に対して無難なことを話しているだけ。相手の考えや言いたいことを聞き出すなんてできていません。こんな上っ面な会話、コミュニケーションとは言えないですよね。

思えば会社員時代も、部下や後輩の顔色を伺っては、おだててなんとか指示を聞いてもらうような感じでした。言いにくいことは全然伝えられない。なので「傾聴」ってどう言うことなの?と興味を惹かれました。

本を読んでみたら、私が今までどうしてうまくコミュニケーションが取れていなかったか、よくわかりました。

私と同じように「自分、傾聴できてるかなぁ?」と疑問に思う人にはとてもおすすめです。
文体がわかりやすく、行間も広めなので読みやすいです。

まずはまとめから。

この本を読んでわかったことまとめ

  • 「傾聴」とは、助け船などは出さず、相手が自分で考える時間を提供し、自発的な変化を促すこと
  • 成長したいと思っていない部下にどう接したら良いか
  • アドバイスをするのは、リクエストがあってから
  • 私が尊敬していたある上司は、一言で「傾聴」を行なっていた
  • 私は「価値観の押し売り」をしていたんだということ
  • 私は相手に興味を持っていなかったということ(重要)
  • 聞いても埒があかない人間は一定数いるので、許可を得て指示に切り替える必要もある
  • 傾聴する自分との対話も必要

この本を読んで実践してみたいことメモ

・やる気がないと思われる相手でも、不満でも良いので何を考えているか、感情や考えに興味を持つ

・「ハーマンモデル」についてもっと調べてみよう

・傾聴の実践手順を試してみる

・コミュニティで知り合った方にも「なぜ参加したか」「何をしたいか」「願いは何か」を聞いてみよう

・終わってからも「これから実践できそうなことは何か」「よりよくするためにどんなことができるか」を聞いてみよう

傾聴の実践手順

※1〜4が傾聴、5からは働きかけ

  1. 静かな時間を提供する……開始時に目的を伝え、それに対して思うこと、話したいことを自由に話してほしいと伝え、時時間を与えて考えてもらう。聞く時は非言語情報にも注目する。
  2. 復唱する……沈黙が続く時などは、復唱し次の話の呼び水にする。①単語だけおうむ返しにする、②「ですね」・「ですか」をつけ丁寧におうむがえしする、③要約する。
  3. 承認する……相手の発言や言動を受け止めていることを伝える。①発言の承認→「……と言っていたよね」、②行動の承認→その行動への意識を高めることができる、③プロセスを承認→結果がまだでもポジティブに「もう少しでできるんだね」と伝えるとモチベーションを上げることができる、④見解の承認→考えが違っていても「そういう考えもあるね」よと受け止めると心理的安全性を向上できる
  4. 合いの手を入れる……合いの手は短く。「そうなんですね」「というと」「ほかには」「もう少し詳しく」
  5. 未来を聞く……・「何の制約もないとしたら、どんなふうにしたいですか」→自由度が広がり他のアイデアが引き出せる。・「そこにある願いはなんですか」→表層的な事実の下にある本質的な欲求を聞くことで、他の可能性を考えてくれるきっかけを作れる・「それが実現したらどんなことを感じると思いますか」「それが達成できたらどんな気分になると思いますか」→モチベーションアップできる
  6. 感情を聞く……日本では一般的ではないため、繰り返し「今日はどんな気分?どんなことを感じてる?」を繰り返すと自然に話してくれるようになる。
  7. 洞察を促す……相手の話を聞いてもこちらで早合点せず、「話してみてどうですか」「話してみて理解が進んだことはありますか」と再度自分の考えを反芻してもらい、自分の言葉の奥にあった考えに気づいてもらうよう促す。
  8. 方向性を示す……日本の場合「大丈夫です」とか「わかりません」という答えが出やすいので、一歩突っ込んで「わかりません」の真意を探る。「できるだけ自分で考えてほしいんだけど」「話したいことだけ話してくれればいいよ」など。
  9. 意思を聞く……「どうしたい?」とシンプルに聞く。自分の向かう方向を決めてもらう。どんな答えでも承認し、現在の部下の思考のレベルがわかったと受け止める。
  10. 笑って接する

使えそうなスクリプト

  • 「今日の面談は、○○さんがより働きやすくなるための時間にできればと思っているんだ」
  • 「まずは、○○さんの話を聞きたいから、しばらくは聞き役に徹したいと思っているんだけどいいかな?」
  • 「ありがとう、○○さんの言いたいことは理解できたと思う。ここからは私から質問してもいいかな?」

自分との対話

自分の心の声が、話を聞いている時も影響してしまうとのこと。
意識してなかったけどたしかにそれはそうかもね。

反抗的な態度取られてイラっとしても、傾聴する側はそんな自分の感情も冷静に観察して受け止めなければいけないようだ。
なかなか高度なスキルですなー。

自分の心の声は、以下の3つのどれにあてはまるかを考える。

・事実情報
客観的な事実情報。

・思考
自分のつぶやきや思い込み。

・感情
心の動き。

だいたい心の声なんて、事実情報に基づいた思い込みと感情のような気がしますね。

感情が伴わないと、いくら論理的に決定しても「やりたくない」という気持ちになってしまう。
自分の感情を掴むことがとても大切。

結論

「好奇心」

常に部下に対して好奇心を持ち、日々の変化に関心を持つことが大切らしい。
私はほんと相手に好奇心を持っていなかったなー。

それは、文中にもあった「自分の心の状態がわかれば、相手も同じではないかと自然に関心が向く」が一つの解決策になるかもしれない。傾聴の鍵が自分の心にあるとは不思議な結論になった。

余談

昔ちょっと働いた大きな企業での話です。
人事異動があり、上司が他部署に移動になりました。

組織変更でバタバタしていたある日、久しぶりにその上司と廊下で会いました。
上司はなんて言ったと思いますか?

笑顔で「順調ですか?」って。

その時はよくわからないけど何だか嬉しかったのを覚えています。

この本を読んで、振り返ってみると

・移動後も気にかけていると存在を承認してもらったこと
・何かあればいつでも相談できる心理的安全性を感じたこと
・「困った事はありませんか」ではなく「順調ですか」とポジティブに声をかけられたことで、何か良い報告がしたいとモチベーションが上がったこと

と、分析できるかもしれません。

お元気かなぁ。私は元気です。



著者

oishi